Tibetan Antiques   story-1

 

 

もし・・
あなたがこの写真を見て、 
 
真贋に確信がもてないのだとしたら・・・
 
チベットのビーズに手を出すときは相当慎重になるべきだと思います。
 
 
 
今まで十数年に渡って
ひとりで散々言い続けてきましたが・・(笑)
ようやくそれなりの雰囲気が隅の方からですが漂い始めた感じではありますが・・
それでもまだまだそうではない状況が圧倒的で
今尚、玉石混交の世界です。
 
 
そしてそれは
ひとつのお店の中でも、
本物と偽物が交じり合い、
一つの商品の中に於いても、
本物と偽物が交じり合っています。
 
 
どことは言いませんが…
骨董の世界ではそういうところで買ってしまわれるお客様に最もよく見られる傾向と言うのは
やはりお値段を追い求めてしまうという心が大きいと昔から言われてきました。
 
 
焼き物ならここ。
書画ならここ。
 
 
というように本来であればその道の一流のところで手にするのが一番いいに決まっています。
 
それは物の良し悪しだけではなく、
その道でそれなりに生きた店と言うのは
お客様に未来を提示することができるからなんですね。
そして、物を得る以上にそれを得ることが
実ははるかに有効であり大事だということを
店側もそして常連様も知っているんからなんです。
 
 
しかし・・
これも古美術の世界でよく言われますが
そこに至る方はなぜかわずか・・・
 
 
ですからいいものをしっかりとセンス良くお持ちの方というのは
自然と極々少数となる。
 
そしてそうでない方は
当りもあれば外れもあって
揃えて来た物にどうも物語が見えてこない。
物語はその人の生き様となって現れ、
実はそのことが様々なものに波及をしていく。
 
そして、
その意義を心の奥底で感じることができれば
それはしめたもので、
伝える側はそれを自身の経験を通してお客様にお伝えをしようとするわけです。
 
なぜならそこに至らなければ本質にたどり着けないと知っているからです。
 
 
 
 
話を戻しますが、
この物を見て確信を持てる方がどれほどおられるでしょうか。
 
おそらく、
プロと呼ばれている日本の多くの業者さんでも
この写真から判断できる方は僕の知る限り
ほとんどおられないはずです。
 
 
そして・・
想像してみてください。
この隣に本物の琥珀がひとつ、ふたつ・・
そしてさらにジービーズ、珊瑚と続く・・・
 
 
おそらくそうなれば
もう誰もどれがなんなのかをほとんど判断できなくなるはずです。
人は慣れ始めた頃が一番自身を見失います。
 
 
 
今一度、
なぜそのものがこの世に誕生し、
なぜそれをあなたは求めるのか・・・
 
 
もう一度よくよく考えてみることは
とても大事なことかもしれませんね・・・